苗栗・三義の旧山線における鉄道観光を長年にわたり手がけてきた「祺峰休閒事業股份有限公司」は、レールバイクの累計利用者数が200万人を突破したのを機に、経済部商業発展署が推進するSIIR(サービス産業イノベーション研究開発)計画に2度目の参加を果たしました。「レールバイク・スマート低炭素体験サービス推進計画」を軸に、運営サービスを全面的にアップグレードし、「スマート化」「低炭素化」「国際化」という3つの方向性を掲げて転換を進め、地域観光に持続可能なイノベーションの原動力を注ぎ込んでいます。
スマート化の推進 IoTと多言語サービスの導入で運営の安全性を向上
財団法人自転車・健康科技工業研究発展中心と連携し、全長約6キロにおよぶレールバイク路線に、車載IoTデバイス、リアルタイム位置測位システム、音声GPSガイドサービスを導入。設備の保守管理や運行調整、走行時の安全性を強化しています。
また、現地のチケットカウンターのガラスパーティションには、7言語対応のリアルタイム翻訳システムを導入し、外国人旅行者の予約手続きや乗車案内をサポートしています。
低炭素化の実践 温室効果ガス算定を完了し、エネルギー管理を最適化
SIIR計画を通じて、ISO 14064に基づく温室効果ガス排出量の算定(インベントリ)を完了し、運営におけるカーボン排出の現状を把握。今後の削減対策やネットゼロ戦略に向けた重要な基盤を整えました。あわせて、スマート充電管理システムを構築し、エネルギー利用効率の向上と予防保全能力の強化を図っています。
国際化の成果が顕在化 日・韓からの旅行者が大きく増加
「祺峰休閒」は、日本の長野県の観光鉄道や韓国の江原道の観光関連機関と協力覚書(MOU)を締結し、国境を越えた鉄道観光体験の試行プロジェクトを推進。あわせて「チケット相互交換(以票換票)」という新たな仕組みを打ち出しました。この2年間で約5万人の海外旅行者を受け入れており、とりわけ日本および韓国市場の成長が顕著となっています。
産学連携+ミステリーショッパー制度 来訪者体験の継続的な向上を図ります。
SIIR計画の実施期間中、「ミステリーショッパー」制度を導入するとともに、国立聯合大学との産学連携を展開。利用者体験(UX)の研究を通じて、サービスプロセスや旅行体験全体の品質向上に取り組んでいます。
今後の目標は、レールバイク事業そのものの運営パフォーマンスを高めることにとどまらず、テクノロジーによる革新と持続可能性の理念を通じて、苗栗地域の観光産業全体の高度化を牽引することにあります。国際的な認知度を備えたスマート観光体験の拠点を創出し、台湾のレジャー・サービス産業における革新的なモデルケースとなることを目指しています。


(取材-編集:SUN MEDIA)