時期:毎年2月 場所:苗栗市
客家の人々のお正月は旧暦の元旦からはじまり、元宵節まで続きます。苗栗の元宵節では特色ある祝い事が多数行なわれます。これらのほとんどは地元の信仰の場で行なわれ、福を招き、厄を払う意味があります。祭典では天候の順調や五穀豊穣を祈ります。
苗栗市-客家人の火旁龍
苗栗市で行なわれる「火旁龍」という風習は長い歴史をもちます。「火旁」は客家語で「炸(爆破)」の意味があり、火旁龍とは「爆竹と龍の舞い」のことで、厄除けと招福の作用があります。非常に賑やかで刺激的な元宵節の祭典です。規模は年ごとにパワーアップしており、迎春や招福といった意味だけでなく、伝統的な習俗や文化を伝承していくという意味も込められています。
竹南鎮-中美社区炸邯鄲
言い伝えによると、邯鄲爺は寒さを嫌うと言われています。そこで、元宵節の夜に邯鄲爺が各地をめぐる際、村人たちは暖を取れるように邯鄲爺に爆竹を投げつけます。爆竹が多ければ多いほど、財運が良くなると言われています。邯鄲爺に爆竹を投げつける風習はこうして発展しました。元宵節の際には村全体に爆竹の音が鳴り響きます。これには財神を迎えるほか、悪運を追い払うという意味もあります。
三義郷-雙潭社区 雲火龍
三義に位置する雙潭社区では元宵節を特別な方法で祝います。住民たちは藁で龍を編み、地域の巡守隊がこれを持ちながら村内の大通りから路地までを練り歩きます。住民たちは手にもったお線香を龍の身体に差し、藁で編んだ龍の身体は線香の火でいっぱいになります。煙が龍の身体に充満し、夜になると一匹の火の龍が雲や霧に乗って村中を通り抜けていくかのように見えるために「雲火龍」と呼ばれます。龍に線香を差すのは「迎春」と「招福」の目的があるほか、疫病や厄を追い払う意味もあります。同時に、村人の幸福と集落の平安を願っています。